意外と知られていない 梅雨 入りと梅雨明けの定義

2018年6月28日気象,航空前線,未分類,梅雨,航空気象

梅雨 って何だ?

 

五月も下旬になると停滞前線が出てきて雨の続く日がぼちぼち出てきますね。

梅雨が近づいてきているような感じがします。梅雨とは簡単に言えば梅雨前線の影響によって雨が続く事ですね。

梅雨前線発生のメカニズムはインドモンスーン、太平洋の高気圧およびオホーツク海の高気圧によって停滞前線ができる事で天気図上でもわかりやすい停滞前線が発生するため気象解説上で困る事はそんなに無い気がします。

ところで梅雨の定義って何なのでしょうか?

ニュースなどでも梅雨入りは早い遅いといった内容の事を言っていたりします。しかし手元の航空気象の参考書には梅雨入りの定義が記載されていません。

どうなってるんだろう???

梅雨”入り”って何だ??

気象庁のホームページにも梅雨入りの明確な定義は書かれていません。梅雨入りと梅雨明けのデータに関しては公表していますが、どのタイミングを梅雨としているのかは明記されていないようです。

手元の資料として航空気象以外の気象の本を何冊か確認しましたがやはり梅雨入りの定義に関しては書かれていませんでした。

ネットで見てみるといくつかの説があるようですが出典が明記されていない怪しげなものなので微妙です。

理科年表にもデータは記載されていますが定義は書かれていません。

どうも梅雨入りというのは梅雨の時期が終わった数か月後にデータを精査して「このあたり」というのを決めているようです。

基本的には9月ごろに本年度の梅雨入りを発表しているようです。また、年度によっては梅雨入りが判断できない年もあるようでデータを見てみるといくつか抜けている年度もあります。

ニュースなどで「梅雨入り」と発表されるのは気象庁の「梅雨入り速報値」であるようです。

速報値自体は現在までの天気変化と一週間後の見通しを元に決めているようです。一般的にいう梅雨入りはこの梅雨入り速報を指している物と思われます。

しかしこの梅雨入り速報の定義もかなりあいまいになっています。

梅雨入り速報自体はかなりリアルタイム性の求められる情報でありますが、一方梅雨前線は予測が難しいため明確な定義を付けてしまうと判断ができなくなってしまうのではないかと私は思います。(個人的な考え)

自分で梅雨を判断したいときは?

梅雨の判断にはジェット気流や水蒸気の状況を中心に見ると良いようです。

地上天気図においては特徴的な停滞前線が数日間にわたって日本の周辺に位置します。

また、衛星画像により前線に対応している雲の状況を把握しておきます。

梅雨期のフライトで注意したい事

梅雨期の飛行は前線の近いときと同じく低シーリングや低視程、雷に注意が必要になります。

梅雨の特徴として日本の広い範囲で降水をもたらすため、代替飛行場の選定が難しくなります。

西日本においては地域特性等の要因で降水が強くなりやすく、注意が必要となります。特に収束域では対流が活発化しやすいとの事です。

前線越えの場合は広い範囲において悪天候となっている事を認識しておく必要があります。また、一時的な晴れを利用しての梅雨期のフライトはその後の前線の動きによって天候が悪化する可能性を考慮する必要があります。

VFRでの飛行においては経路、行き先の状況によってはフライトできなくなる可能性があります。

参考にした気象の本リスト

  • 新しい航空気象
  • 航空気象ABC
  • 気象学のキホンがよ~くわかる本
  • AIM-J
  • 世界一わかりやすい航空気象の本

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