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「厳しいしつけが忍耐力を育む」はウソ 理不尽な指導や叱責の弊害を解説

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最近某A大学校の行き過ぎた後輩指導がテレビ番組になりましたね。

http://www.ntv.co.jp/document/backnumber/archive/post-131.html

日テレで暴力的指導が取り上げられている一方で、SNSでは気になる発言をたくさん見かけました。

「厳しい指導をしないといざという時役に立たない」

「戦争に行くなら暴力も慣れておくべき」

など、暴力的指導や体罰を肯定している石器時代の旧人類がかなり多い事に驚きました。

現代では軍隊教育でも暴力・体罰の効果が完全に否定されており、そのような指導が発覚すれば厳しく罰せられます。

このような話をしてもなお、「でも有事は~」とか「異常な環境下で~」とか言い始める心理素人が多すぎます。

そこで、今回はちゃんと理不尽な指導、体罰、パワハラや暴力がなぜ無意味なのか解説します。

厳しい指導が効果を生むと信じている旧人類(どちらかといえばサル)の方や未だに体罰肯定している現実が見えないアホのみなさんはぜひ読んで考え直してください。

理不尽な指導の問題点

心理学的に見た6つの副作用

体罰をはじめとする理不尽な指導には多くの問題点があります。

その中でも心理学的にみた副作用が6つ指摘されています。

嫌子の弱化による6つの副作用として発表されています。

(嫌子とは簡単に言えば罰の事で、罰を与える事で望ましくない行動を抑制する指導法の事です。アメとムチのムチの方です。)

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  • 消極的になる
  • 新しい行動につながらない
  • 効果が一時的
  • 罰がエスカレートしやすい
  • ネガティブな情緒反応
  • 同じ理不尽な指導や体罰を他人に行うようになる

一つ一つ見ていきましょう

消極的になる

これは、厳しい指導で委縮してしまう事をさしています。

誰でも理不尽な指導を受け続けると委縮し、何も言わない人になっていきます。

しかしこれは教育といえるでしょうか?

ただ、その場をしのぐだけの人になります。

新しい事に挑戦しなくなり、守りの姿勢に入ります。すると仕事の効率が極端に落ちてしまいます。

人の仕事効率を落とす事が目的なのでしょうか?

新しい行動につながらない

というのも、体罰や厳しい指導は否定型の指導になり、〇〇をしてはいけないという形になりやすいです。

その結果、何をすればよかったのか結局わからないままとなります。

さらに、先ほど述べた消極的になってしまう効果もあわせて、確認を取る事もなくなる事がわかると思います。

すると指導によって何も得る事がありません。

これは多くの人が経験しているのではないでしょうか?

上司がひたすらブチギレているけど何も意味が無かったという経験はありませんか?

これは実際に上司の言葉には教育的効果や意味が無く、何も教育していないからです。

簡単に言えば厳しい指導や体罰をしている人は教育として教えるべき事を放棄していると言えます。

効果が一時的

体罰や理不尽な指導には教育としての効果はほぼ無い事がわかっています。

その理由の一つとして効果が一時的であることが挙げられます。

痛みや負の感情は残りますが指導内容は残りません。これは人間の本能的な心理の動きとされています。

罰がエスカレートしやすい

体罰や理不尽な指導は効果が一時的で、基本的に教育効果が無いため、指導された側が何か改善するという事はありません。

すると指導を行うものはさらに強く指導するようになります。

自分の指導に効果が無い事に気づけないので、相手のせいにしてとにかくヒートアップし始めます。

もしあなたが部下を指導していてヒートアップしているなら落ち着いて自分の指導に問題があったと反省するべきです。

また、暴力的であったり理不尽な指導により委縮している人を見て楽しむ人もいます。

この場合もやはり罰がヒートアップしやすいと言えます。

ネガティブな情緒反応

指導を受けた側は情緒面でかなり悪くなります。

こいついつか〇〇してやるといった感情になる人が多いのではないでしょうか?

このように部下からころされるほど憎まれている事に気づけない人も一定数いるようです。

しかし、そのような恨みを買う指導を行う意味は何でしょうか?

情緒は悪化しますし教育的効果はほぼゼロの指導をする意味はあるのでしょうか?

理不尽な指導や体罰を他の人にも行うようになる

これも思い当たる人が多いのではないでしょうか?

暴力的な指導を受けてきた人は正しい教育を理解しないまま育つので次の新人が入ってきたときに自分が受けた事と同じことをします。

某A大学校で起きていた問題もこれが原因なのではないでしょうか。

俺は殴られて教えられてきたから俺も殴るというのは、実に本能的ではありますが、何度も言う通り教育的効果はありません。

また、理不尽な指導や体罰は指導する側にとっては自分の承認欲求や支配欲求を満たす事ができるツールとなっている面もあります。

そのため連鎖が起きやすいと言えます。

これは児童虐待でも同じことが指摘されています。親から暴力を受けて育った子供が大人になって暴力をふるう話は、これと全く同じです。

児童虐待と聞くと多くの人が「それはいけない」と言うのに会社や組織の指導ではなぜか肯定する人が出てくるのが不思議です。

軍隊では特に体罰を無くさなければいけない理由

軍隊かどうかに関係なく体罰や理不尽な指導がいかに無意味か前項で説明しました。

次は、なぜ軍隊でこれらを根絶しなければならないのか解説します。

合理的な教育をしなければならないから

軍隊とは本来合理的でなければいけません。

意味不明な謎理論や、個人の快楽ために体罰や理不尽な指導を行って人員を損耗している場合ではないのです。

特に体罰や理不尽な指導の教育的効果が極めて低い事は説明したとおりです。

効率的に人員を育成して使い物にしていかなければならない組織で、個人の欲求のために体罰などを行っていい理由はありません。

教育者や上司は現代の教育学をちゃんと学ぶ義務があります。

帰属意識が育たない

ネガティブな情緒反応のひとつとして、帰属意識や使命感が育たないという事が挙げられます。

当然ですが理不尽な指導や体罰で体や精神を害した人はその組織を憎むようになります。

その結果が某大学校に対する訴訟として表に出てきたと言えます。

そのような組織に対する憎しみをもったままどうやって戦うつもりなのでしょうか?

理不尽な指導によって出来上がるのは、有事に使える人材ではなく組織を憎み有事に乗じて組織を壊そうとするのではないか、そう思いませんか?

武器を扱うのに情緒的にネガティブという危険性

軍隊は武器を扱います。そのような組織でネガティブな情緒を持ち続けていて安心できますか?

フルメタルジャケットで、厳しい指導を受け続けた微笑みデブが上司を銃殺するシーンがありますが、常にあんな状態で仕事している軍隊でいいのでしょうか?

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これは映画に限った話でなく、理不尽な指導や体罰を続けていれば当然起きうる現象であると言えます。

結果として組織の弱体化につながる

上記の理由から、体罰や厳しい指導は組織を弱体化させるだけという事がわかると思います。

ここまで読んでもなお体罰や厳しい指導が必要だと思うようでしたらもう他人を指導するのはやめた方がいいです。デメリットしかありません。

逆に、特定の組織を破壊したいのでしたら組織内に暴力や理不尽な指導を流行らせるのが有効と考えられますね。

また、イマドキの若い人は訴訟などの知識が十分にあり、組織に対しての訴訟もすぐ起こします。

本当に組織を守りたいなら体罰や理不尽な指導をすぐやめる必要があるとわかるはずです。

まとめ

体罰や理不尽な指導は心理学的にも多くの問題点が指摘されているよ

効果が極めて低いから教育的な意味が無いよ

軍隊も現代では体罰や理不尽な指導を否定しているよ

参考

吉野俊彦 罰の効果とその問題点

https://psych.or.jp/wp-content/uploads/2018/01/80-5-8.pdf

日本行動分析学会 「体罰」に反対する声明

http://www.j-aba.jp/data/seimei.pdf

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