Aerial Attack Study 各章の構成について –
Aerial Attack Study の特徴
この書籍は主に対爆撃機戦と対戦闘機戦の二つのパートに分かれています。
実際の戦闘においては、対地戦闘などがありますがこの本では他の動く目標に対する攻撃を取り扱っています。
この本の定義に関しては以下のようになっています。
対爆撃機戦闘
敵の動きより、自己の動きとその制限値に重きをおいて解説されています。
敵の想定は空戦機動をしていない状態です。
この本の内容を理解するための基礎的な部分はほとんどこちらの章に書かれているので、エネルギー機動理論の理解のためにはこちらから読む必要があります。
特に機動計算に必要な数式はすべてこちらのパートで紹介、解説されます。空戦機動の理解において、今後も様々な場所で出てくる数式ばかりなのでこのパートの理解は必須と言えます。
対戦闘機戦闘
敵の動きに応じたマニューバ(機動)を取り入れた理論が展開されます。
前パートで基本的な数式の解説等がなされているためかなり省略されています。
初めて Boyd のAerial Attack Study を読む人がこちらから読み始めるとかなり時間が掛かる事と思います。
空戦の要訣について
空戦においては航空機自体と武装の能力及び制限値によって戦闘が組み立てられるとあります。
最も効果的な戦術とは、敵の戦闘能力を加味してこちらの武器を最も効果的に使用する事と同義です。
更に重要なのはこれらが実用的である事です。
これに関しては特に他の解説サイトで無視されがちなのですが全ての理論は実際に使用できなければなりません。
上空での戦闘で利用できないものは効果的とはいえないのです。よって当ブログでも複雑すぎたり意味のない解説をできる限り排除したいと思います。
また、戦闘に際しては武装システムの制限や能力への理解が必須となります。実際に1960年版のAerial Attack Studyには当時の最新の武器の性能が書かれており、それらを利用して米軍人が空戦理論を学んでいたようですが、この教科書の公開にあたりちょっとマズかったみたいで武器の性能に関する記述は削除されています。
そのかわり、現在手に入る1964年版ではAIM-9B をモデルに書かれています。
実際このエネルギーマネジメント理論を適用するにはそれぞれの武器の性能に合わせて計算しなおしたりデータを用意する必要があるという事です。
フライトシミュレータで遊ぶ方でも各マニュアル等にデータが入っていたりするので確認してください。
これらのデータを理解した上で、各状況に応じた最も効果的な使い方を知る事が空戦において重要となります。
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