シミュレータ用 実機と同型のフライトスティック 入手~設定ガイド F-15編 たぶん世界で一番詳しい
実機と同じ形のフライトスティックを使いたい!
普段DCSでF-15C使って色々やっているとスティックやスロットルの形が実機と全然違っていてストレスが溜まりますね。
我が家ではsaitekのx-55 という元ネタが何なのかわからないスティックを使っています。これがまた実機と全然操作感が違うのでもにょります。
F-15の操作系と比べても軸の位置やボタンの位置が全然違っていますね。特にレーダー操作のためのボタン位置が実際のものと全く違っていてなんだか気に入りません。
具体的にはターゲットカーソル動かすやつとか
そこで今回は実機と同じ形で操作できるようにSuncomのスティックを設定したりFUSBAを組み込んだりしてDCS Worldでつかえるようにします。
F-15の実機と同じ形のスティックってある??
普通に調べた限りだと現在売られているF-15のフライトスティックはありません。
Thrust master社のwarthogでF-15タイプの社外品グリップが無いか探したのですが存在していないようで、自分で作るしかなさそうです。
そもそもwarthogスティックを持っていないのでダメですね。
海外ではBugeye techという会社がシミュレータ用のF-15スティックを出しているようなのですが個人で購入できるものではなく、中古でも出回っていないので却下です。
海外のフォーラムとかを見ていても定期的にbugeye社のスティックを買いたがる人が出てきますが購入報告は全くないですね。軍隊にしか納品していないようです。
ebayを見ているとsuncomという会社がかなり昔に発売したSFS Throttle とF-15 Flight Stickがちょうどよさそうなデザインです。
しかしながらあまりの古さにいにしえの端子:ゲームポートが使われています。
これを何とかしないと使えないですね。
Suncomのスロットルとスティックを使えるようにするには?
海外のシミュレータグッズを作っている会社がゲームポートにしか対応していないこのSuncom社のスティックセットをUSB化する基盤を出しています。
その名もFUSBA
これはスロットル側の基盤を入れ替えてUSBでつかえるようにする便利グッズです。
そもそも中古でしか手に入らないsuncomのスティックをUSB化するなどというマニアすぎる企業があるのもびっくりですが、なんとこの会社、ちゃんと日本に発送してくれます。
用意する材料
Suncom SFS Throttle Assy
おそらく今回のプロジェクトで一番手に入りにくいものです。
あまり数が出回っていないのか壊れてしまったのかわかりませんがスティックに比べてかなり数が少ないようです。
当然中古しかないですし日本ではほぼ出回っていません。過去にヤフオクに出ていた事もあったようですが微妙です。
海外オークションなどで手に入れます。今回はebayでスティックとセットになったものを落札しました。
Suncom SFS Flight stick
なぜかスロットルレバーとちがい沢山出回っているようです。
F-15に似ていますが、購入後確認してみたら微妙に違いました。まあいいでしょう。
FUSBA 基盤セット
これらのゲームポート使用コントローラーをUSB化するための基盤です。
必要なドライバなどは同サイトにあります。ダウンロードに時間がかかったので先に落としておいた方がいいです。
購入はpaypalで行います。住所等は普通に英語で書けばちゃんと届きます。
だいたい一週間くらいで届きました。
組み込みはわりと大変な方だと思います。以下で解説します。
必要な工具
- プラスドライバ
- マイナスドライバ(部品をこじって外すのに使います)
- トルクスレンチT10
- ペンチ(ワイヤも切れるようなやつ)
意外と少ないですね
ハンダやワイヤストリッパーは使わないので今回はしまっておいてください。
たぶん世界で一番詳しいFUSBA組み込み解説
誰も写真で解説してくれないので僕が解説します。
解説動画はあるみたいです。公式サイトから見れます。
スロットルの裏面カバーをあける
底部の足は回せば取れます。その下にプラスネジがあるので外すだけです。
プラスネジは四本です。
底部は上の写真のようになっています。吸盤だったであろう足はもう古くなっていて吸着力ゼロなので工夫が必要ですね。
今回は足の事は置いておいてとりあえず分解していきます。
中身はこんな感じです。
左下の名刺サイズくらいの基盤を入れ替えていきます。
色々古い感じがしますが故障する要素も少なそうに見えますね。
ゲームポート基盤の取り外し
まずゲームポート基盤(名刺サイズくらいのケーブルとかがつながっているやつ)に刺さっているコネクタを全部抜き取ります。
このコネクタ、かなり堅いのでマイナスドライバやペンチなどを使って少しづつ抜きます。
解説動画では普通に指で抜いていましたがそんな簡単ではありません。がんばってください。
このコネクタ自体は特に使わないので切ってもいいのかもしれませんが一応取り外しでやっています。
基盤の取り出し自体は破壊しています。動画でも破壊していました。
破壊せずに取れた方はやり方教えてください。
これはもう使わないので捨てるなりなんなりしてください。
L字基盤の取り外しとコネクタ2つの取り外し
次は以下の基盤を取り外します。ネジが三か所にあるので注意して取り外します。
一か所だけ絶縁ワッシャーが使われているので写真を参考にして取り付けるとき忘れないようにしましょう。
コネクタは下の写真の物を取り外します。
まず白いコネクタを外します。
ちょっと画像がブレていますがLED下から三番目の左隣にある小さなコネクタです。
位置的にかなり抜き取りづらいのでマイナスドライバ等でこじる必要があります。
壊さないように気を付けてください。
もう一つは黒い幅広のコネクタです。
上下二枚ありますがこの写真に写っている方のコネクタのみ取り外します。
抜き取るのは基盤の茶色の面を上にしたときに上にくる方のコネクタです。写真に写っているやつです。
このコネクタはFUSBAのコネクタにも取り付けるので壊さないように注意してください。
スロットル用可変抵抗の除去と交換
FUSBAを購入すると可変抵抗が二つ付いてきます。これを組み込みます。
古い方の抵抗でも問題ないのですが、ケーブルを伸ばす必要があって面倒なので新しい物に入れ替えます。
入れ替え時はスロットルの表側のトルクスネジ4つを取り外します。下の写真の位置にあります。
ケーブル類を切らないように途中まで引き抜くと可変抵抗が見えてきます。
******注意!!!******
取り外す前にケーブルの前後、取り付けの向きを必ず覚えておいてください。
*****************
たぶんこれは右スロットルで、前のケーブルが茶色だと思います。
僕はスライダの向きを忘れてしまって一か八かで組み込みをしました。気を付けてください。
可変抵抗の引き抜きはかなり大変でした。幅が狭くて強度のあるマイナスドライバ的な物を用意します。
それを幅の細い方から差し込み、ペンチで爪を広げます。
以下の写真のような方法で取り出せると思います。
ペンチで爪を広げるのが難しいかもしれませんががんばってください。
取り外したら可変抵抗にキャップが付いている事があるので移植し、同じ向きになるように可変抵抗を入れます。
ゆっくり入れつつスロットル側の溝に合わせていきます。
うまくできたらスロットルレバーを元の位置に戻してねじ止めします。
FUSBA基盤を組み込む
抵抗の入れ替えが終わったらL字基盤を元に戻してFUSBA基盤を組み込みます。
FUSBA基盤を組み込むときはスティック用ポートの固定ネジを外してから行います。写真を参考にしてください。
これを外さないと干渉して入りません。下の写真では固定ネジを外した状態となっています。
入る角度を探して基盤を壊さないように慎重に入れてください。
基盤をねじ止めした後に先ほど外したゲームポートの固定ネジを戻します。
コネクタの差し込み
- L字基盤から外したコネクタ(スロットル側からつながっているもの)
- 可変抵抗
- L字基盤から取り外した白いコネクタ
をFUSBAを接続します。
以下の写真を参考にしてください。
先ほどL字基盤からとったコネクタは赤とか黄色とかが左側にくるようにします。
スライダーのコネクタはどちらも左が茶色になるようにします。
蓋を閉じる
配線を噛まないようにして蓋を閉じたら完成です。
早速スティックを差し込んでUSBケーブルをパソコンにつなげましょう。
FUSBAのPC側設定
ドライバは自動的に当たるようですがツール類はダウンロードとインストールする必要があります。
http://realsimulator.com/html/downloads.html
上記のリンクからRS_TOOL_V1.01をダウンロードします。
2018年とは思えないrar拡張子ファイルなので7zip等で解凍します。
解凍するとインストーラーが出てくるのでインストールしRS_HID_DEV_TOOL V1.08を実行します。
すると次のような画面が出てきます。
この画面では何を押しても反応しないので安心してください。
タブの中からFUSBAを選択すると以下の画面になります。
それではスティックのキャリブレートと設定を解説します。
ペアリング
まず上の写真で赤く囲まれている"pairing FUSBA & SFS"を押します。ダイアログが出るのでOKを押してスロットル左右を最小から最大、スティックをピッチ、ロールとも最大最小まで動かします。
上の画面の間に全部の軸を最大最小まで数回動かしてからOKを押します。
次に各軸のキャリブレートをしていきます。
スティックのキャリブレート
スティックのキャリブレートはやや複雑なので注意して行ってください。
スロットルと違い、中央位置のキャリブレートが必要なうえ、センサーがややずれるのかスプリングが弱いのか中央値に幅を持たせる必要があるみたいです。
まずスティックX軸(ロール方向)から調整します。
設定ボタンは以下の通り
上の赤丸で囲んでいるボタンを押すと下のようなダイアログが出ます。
set axis max let the stick back
みたいな事が書いてあるのでX軸が最大になる方向(ロール右)に最大まで倒したあと、ゆっくり中央に戻して手を放します。
ここでゆっくり戻すのは中央値の幅をちゃんと取るためです。
素早く戻したり手で中央まで持っていくと中央値の幅が小さくなりすぎて水平飛行できなくなります。
そのまま何も触らずにダイアログのOKを押すと次は以下のようなダイアログが出ます。
次はX軸が最小になるようにロール左に完全に倒したあとゆっくり中央に戻してOKを押せば完成です。
これでロール軸が完成しました。下の写真のように▼マークが三つ中央付近に並んでいればいいでしょう。
同じことをY軸(ピッチ方向)にも行います。
Yの左のCalを押して同じように設定します。
Y軸の最大はノーズアップ(手前)最小はノーズダウン(奥)です。
こちらもゆっくり行ってください。
スロットルのキャリブレート
こちらはスティックと違いそんな複雑な事はありません。
T left T right の二つを設定していきます。
ボタンを押すと
maximum to min and press OK と出ますので何も考えず最小から最大までスロットルを動かし、OKを押すだけです。
キャリブレート完了
以上でFUSBA側の設定は終わりです。
疲れましたね。
この後はそれぞれのシミュレータで軸やボタンを割り当てていくだけです。
設定画面でどの軸をどれくらい動かしたか、ボタンの反応はどうなっているか見る事ができるので確認してみてください。
ちなみに僕の購入したスティックはトリム下が反応しませんでした。古いからしょうがないですね。
Suncom SFS + FUSBA のレビュー
さて、肝心のスティックとスロットルですが…
軸やボタンがいくつか違っている部分がありますね。
特にスティックですが、ボタンが付くべきところに謎の赤いランプがついています。
FUSBA化するとスロットル側にいくつかついている赤いボタンが使えなくなります。
正直VRで使う際にはこのボタン見えないのでどうでもいいのですが、Suncom SFSで赤いボタンを使おうと思っている人はFUSBAは使えません。(そんな人いるのかな?)
スティック自体は古すぎて感度がちょっとおかしいです。この辺は調整次第でしょうか。
以上のような感じです。
F-15Jの実機と同じタイプのフライトスティック(ジョイスティック)やスロットルを探している人は現状この方法しか無いので頑張って作ってみてください。
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