ガン 使用時の攻撃手法について

2020年9月28日空戦技術,航空Aerial Attack Study,DCS,エネルギー機動理論,飛行機

ガン で攻撃するにあたっては今までの追尾機動だけをそのまま適用することができません。なぜなら追尾機動だけだと弾丸が明後日の方向に飛んでいくからです。・。

ガンによる攻撃機動には大きく分けて追尾機動とコリジョンコース機動があり、それぞれ特徴があります。

攻撃に際しては追尾機動だけでなくコリジョンコース(衝突コース)の機動を合わせて使う必要があります。

追尾機動による ガン 攻撃の特徴

追尾中であれば銃弾に角速度を与える事ができ、敵に対してより多くの銃弾を当てる事ができます。

しかしながら対爆撃機戦闘においては敵の防御用銃座の攻撃範囲に入る可能性が高いという不利点があります。

衝突コースにおけるガン攻撃の特徴

しかしながら、衝突コースに乗っていても十分に銃弾が当たるわけではありません。

特に衝突コースの機動で角速度が付いていないと敵がこちらの銃弾を通過する時間が短くなり、効果を与えられるほどの攻撃とならない事が予想されます。

例えば大きさが100フィートの目標が秒速800フィートで高度30000フィートで衝突コースを飛行しているときにこちらが毎分6000発の銃弾を撃つとすると通過時間1/8秒で12発当たる事になります。

しかしながら対爆撃機戦闘においてはこれは十分とは言えません

攻撃時に確認すべき要素

ガンによる攻撃を行うときはリード角を決定するため以下の3つを確認する必要があります。

  • 敵の機動の予測
  • 重力による降下の見越し
  • 弾道の変化

もし航空機が旧式のサイトしか搭載していなければ上の3つをすべて知っておかなければなりません。

現代の航空機においては、レーダーを始めとした火器管制装置によって重力による弾の落下と弾道の変化は自動計算されており、敵の機動の見越しについても一部計算されています。

しかしながらオーバーヘッドアタック等はレーダーの範囲から外れたところへ攻撃するためこれが適用できない事があります。

そこで以下の式を用いてリード角を計算します。

[リード(mil表示)]=[敵との接近率(フィート毎秒)]x sin[交差角]x1000/[弾の速度(重力落下表から)]

上記の式で計算したmilをサイトのレティクルのmil表示などを参考にして使用します。

敵との距離とmilの関係は以下の通りです。

[敵の翼幅]/[射程]=2x[リードのmil]/1000

これらの式を使って敵の見える位置を予め計算しておき、適切なリードをとります。

ガンによる攻撃に必要な数値の計算例

以下の順番で計算するのが効率よくなると思います。

  1. 射程と交差角
  2. 見越し角(リード)
  3. 敵の見え方

必要な式は以下の通りです。

交差角はいくつか予め決めておきます

[射程]=[自分の速度]x[敵の速度]xsin[交差角]

[見越し角]=[敵の速度]xsin[交差角]x1000/[銃弾の速度]

上記計算を使用するときの注意点

これらの計算は交差角や敵の速度を仮定した上でなければ使用できません。

実際には敵の速度はこちらが指定できるものではなく敵の意思で動くため、計算した物が必ずしも適用できるとは限りません。

こちらが攻撃しようとすれば相手はそれに合わせて照準外への遷移を試みるはずです。

よって敵の回避機動に対する対応が必要になります。

 

攻撃のための機動

攻撃のためのセットアップが完了したら、敵を正面において旋回し続けます。

そして射撃可能圏内に近づいたところで旋回を強めてレティクルを敵より前にセットし、敵が通過するタイミングでガンを発射します。

攻撃完了後は速やかに再攻撃位置に移動します。

この攻撃方法は、追尾機動よりも大きな交差角での接敵となり、早い接敵と再攻撃が可能です。

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