特別有視界飛行方式による飛行のやりかた

2019年11月4日気象,航空,航空法飛行機

みなさんはVFRで飛行しているときに飛行場がIMCになって困った経験はありませんか?

でも、よく見ると悪いのは一部分でなんとか目視で入れそうな事があったりしませんか?

そういう時は特別有視界方式によって飛行すれば管制圏(情報圏)を飛行して離着陸ができます。

スペシャルVFRとも呼ばれるこの方式(航空法95条ただし書き)で飛行するにはどのようにすればいいのか確認していきます。

 

気象条件と制限

いくら特別有視界飛行方式であっても気象制限が無いわけではありません。

気象制限は以下の通りで、パイロットの責任において維持します。

  • 雲から離れて飛行すること
  • 飛行中は視程1500m以上を維持する
  • 地表または水面を視認すること

これらを満たしていなければならないので、雲中飛行はできない事になります。

ちょうど飛行場の上だけ雲がかかっていて他の所が空いているような状況がスペシャルVFR適用可能な気象状況といえます。

また、気象以外にもパイロットは

  • 管制圏内において指定された周波数をモニターすること
  • 管制官の指示に従うこと
  • 情報圏においてはレディオ、リモートを経由して許可を行う機関と常時連絡を保つ

上記を満たしている必要があります。

 

特別有視界飛行方式でできること

特別有視界飛行方式を適用すればなんでもできるわけではありません。

下記の飛行のような、管制圏内に関する部分しか許可は出ません。

  • 管制圏(情報圏)から離陸
  • 管制圏(情報圏)の通過
  • 管制圏(情報圏)への進入、着陸
  • 離陸後VMCへの上昇(視程のみVMCを満たさない時)
  • 飛行場周辺を限られた時間ローカル飛行

 

どういうボイスが来るの?

スペシャルVFRの管制指示はちょっと長いです。

離陸

Cleared  to leave control zone 5 miles 方角 of 〇〇airport. Maintain special VFR conditions while in control zone.

〇〇飛行場から[方角]5マイルへの特別有視界飛行方式による飛行を許可します。管制圏内では特別有視界気象状態を維持してください。

この管制許可からわかる通り、このクリアランス自体はスぺVを維持しての管制圏からの離脱のみ許可しています。離陸許可は含んでいないので必ず離陸許可をもらってから離陸しましょう。

着陸

Cleared to enter control zone 5 miles 方角 of 〇〇airport. maintain special VFR conditions while in control zone.

[方角]5マイルから特別有視界飛行方式による管制圏への進入を許可します。管制圏内では特別有視界気象状態を維持してください。

こちらも管制圏内でのスペシャルVFRを許可しています。着陸許可は別に取らなければいけません。また、これに続いて位置通報の指示が来る事があるので指示に従います。

また、許可しているのは管制圏内でのスペシャルVFRだけです。管制圏外ではVMCでなければいけません。

通過

Cleared to cross control zone,maintain special VFR conditions while in control zone.

特別有視界飛行方式による管制圏の通貨を許可します。管制圏内では特別有視界気象状態を維持してください。

通過するときはCROSS CONTROL ZONEの語で来ます。

VMCへの上昇

Climb to VMC within control zone 5 miles from 〇〇airport.Maintain special VFR conditions until reaching VMC

管制圏内でVMCまで上昇してください。VMC到達までは特別有視界気象状態を維持してください。

視程のみがVMCを維持していないときはスペシャルVFRでの上昇ができます。ただし、管制圏内でVMCに到達する必要があります。

飛行場視程が5km未満で1500m以上の時にこの上昇ができます。

ローカル飛行

Local special VFR operations in the immediate vicinity of 〇〇airport are authorized until 時間.Maintain special VFR conditions.

[時間]までの間のスペシャルVFRによるローカル飛行が許可されます。

連続離着陸等の管制圏内のみで、離陸飛行場に着陸するローカル飛行のみが可能です。

 

他機との間隔

スペシャルVFRは他のVFR機、IFR機との間に管制間隔が設定されます。(ただし、地上の障害物等との間隔維持はパイロットの責任です。)

必要がある場合はIFR機の500ft下方で飛行するよう制限されることがある。

Maintain special VFR conditions at or below 〇〇ft.

また、IFR機の状況に応じてスペシャルVFRの許可が遅延する事があります。

Expect 〇〇minutes delay.

 

その他注意すべきこと

視程1500m未満となりスペシャルVFRの条件を満たさなくなったら?

離陸機は出発が許可されません。

管制圏外の着陸機は緊急状態を除き着陸が許可されません。

管制圏内の着陸機は視程1500m以上を維持しての離脱が可能であれば離脱が支持されます。

離脱不可能な場合や緊急状態であればトラフィックの状況が許す限りスペシャルVFRの着陸が許可されます。

いつでも許可は来るの?

情報圏での特別有視界飛行方式は1機のみとなっています。

また、交通情報に応じて許可が遅延したり来なかったりします。原則としてIFR機の運航に支障が無い場合にのみ許可が来ます。

 

まとめ

視程1500m、雲から離れて地表を視認しながら飛べるなら特別有視界飛行方式で進入できるかも

VFRで飛行していて困ったときに思い出そう

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